朝食を食べて5月病対策!
大型連休のゴールデンウイークが終わり、仕事や勉強が憂鬱…と感じている方は少なくないと思います。
5月病にはなりたくないけど気持ちがついていかない…
そもそも5月病ってなぜ起こるの?どんな症状なの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
新年度を迎え、環境に変化があった方の多くは、最初から張り切りすぎてしまい知らないうちに
肉体的にも精神的にも疲労がた溜まっている状態になっているかもしれません。
そこへGWを挟むことにより緊張が途切れ、その反動で食欲不振や不眠、無気力感や不安感
といった鬱のような症状を招くと言われています。
そんな5月病にならないためにも大事なことは規則正しい食生活と生活習慣を送ること、
そしてストレスを溜めないことですが、わかっていてもなかなか難しいものです。
そこで今回は、オススメの簡単対策をご紹介していきます。
◎とりあえず朝ごはんを食べよう!
おすすめなのは、「しっかり朝食を摂ること」。
厚生労働省の調べによると現代の国民全体の朝食の欠食率は男性で15.4%、女性で10.7%であり、
朝食欠食率は男女共に20代から30代が高く、それ以降は歳を経るにつれて減る傾向があります。
(厚生労働省「国民健康・栄養調査」平成28年度)
朝食を抜いてしまうと脳がうまく働かず、集中力の低下や体のだるさも感じます。
そんな朝食には、脳のエネルギー源となるごはんやパンといった炭水化物に、
卵やウインナー、チーズなどの体を動かすために必要なたんぱく質、
ビタミン・ミネラルを豊富に含む野菜や果物も大事なエネルギーの源です。
朝は「時間がないからバランスなんて考えられない」なんて言わないで。
無理はせずできる範囲でバランス良い朝食を心がけてみてください。
例えば、お茶碗1杯のごはんに卵をのせて、お味噌汁をつけてみる。
食パンにレタスや卵、ハムをはさむだけでも十分。
◎朝ごはんのメリットは、感情コントロールだった!
朝ごはんを食べて健康に。はよく言われているけれど、5月病に対しての
朝ごはんのポイントは、「セロトニン」を増やすこと。
「セロトニン」は、必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される神経伝達物質です。
神経伝達物質の中でも重要な役割をしている「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「セロトニン」は
三大神経伝達物質といわれ、セロトニンはノルアドレナリンとドーパミンのバランスを調整し
感情をコントロールする働きをしています。
また、血管収縮作用や消化管運動などの重要な役割も果たしています。
セロトニンは私たちが眠っている間は分泌が抑制されていますが、朝が近づき太陽の光を浴びることで
活発に働きだし、脳や身体全体を覚醒させてくれます。集中力を高め、心を穏やかに保ってくれるのです。
このセロトニンが不足してしまうと5月病のような症状が現れてしまいます。
◎そんなセロトニンを増やすためには⁉
セロトニンを生成する原料といわれている必須アミノ酸の「トリプトファン」
トリプトファンは体内で合成されないため食品から摂る必要があります。
主に大豆製品や乳製品、肉、魚、そしてバナナなどタンパク質を多く含む食品に含まれています。
また、セロトニンはほとんどが腸内で生成されており、腸内環境のバランスが影響するともいえます。
つまり、朝ごはんに乳酸菌を多く含む乳製品や善玉菌を増やしてくれるバナナを食べるだけでもで、
原料であるトリプトファンを摂取し、セロトニンの働きも活発にしてくれます。
さらに、腸内環境のバランスも整うので、お腹もスッキリさせる働きが期待できます。
朝食を摂るためにも夜は早く寝て朝早く起きることができたら、自然と時間にも気持ちにも余裕が持てます。朝食をしっかり摂って5月病特有の無気力感をふっ飛ばしましょう。
◎感情コントロールは、話すことも大事
夜は、セロトニンを材料に作られるのが、眠りを誘う「メラトニン」です。
メラトニンは、夜中にピークを迎え、良い睡眠をもたらします。
このメラトニンを作るためにも朝食が大切と言えるわけです。
気持ちを整えるためには、仕事や学校から帰ってきたら誰でもいいので1日あったことを
話してみてください。話す相手がぬいぐるみでも観葉植物でも、
不安に思うこともイライラすることも声に出して言葉にしてみることが大切。
そしてゆっくりお風呂につかり、いつもより少し早めに寝てみる。
お休みの日は仕事や勉強のことは忘れて、自分の好きな時間を過ごして下さい。
軽い運動をすることもおいしいごはんを食べることもストレス解消の1つ。
気持ちが整ってきたところで、メラトニンの働きで、ゆっくりと眠りましょう。
5月病だけじゃなく、これからどんどん暑くなってくる夏に向けての体調管理にも大事なことです。
執筆担当: 関西真穂(管理栄養士)
大学を卒業後、保育園に勤務。子供たちの給食の献立作成など食育活動を行う。その後、病院へ勤務、患者様の栄養管理を主に担当。現在は、株式会社エビータでの栄養相談や執筆、料理など多くの方への健康管理を幅広く実施中。