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さまざまな生活習慣病に関係があるとされ今大注目のビタミンD!

第一弾に引き続き、今回はビタミンDについて解説していきます。

ビタミンD脂溶性ビタミンの1つです。直接、骨を強くする働きはありませんが、カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にしてくれます。ほとんどのビタミンは体内でつくりだすことができませんが、ビタミンDは紫外線を浴びると体内で合成される栄養素です。また、近年ビタミンDが風邪や生活習慣病の予防を期待できる栄養素として注目されています。
ビタミンDの知られざる効果と現状について解説していきます。

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ビタミンDの働き
ビタミンDは小腸で吸収され肝臓に集められた後、腎臓に送られます。ビタミンDはそのままの状態では働かかないため、腎臓で副甲状腺ホルモン(PTH)によって活性型ビタミンDに変換されます。
副甲状腺ホルモン(PTH)」とはのどぼとけの横のほうにある副甲状腺という器官から分泌されるホルモンです。血液中のカルシウムが低下すると分泌されます。
PTHによって活性型ビタミンDに変換されてやっとビタミンDとして働きます。活性型ビタミンDは腸管からのカルシウムとリンの吸収を促し、血液中のカルシウム濃度、リン濃度を共に高めます。また同時に、腎臓において尿に出たカルシウムの再吸収を促し、血液中のカルシウムを上昇させます。この時、血液中のカルシウム濃度が上昇すると分泌されるのがカルシトニンです。「カルシトニン」はのどぼとけにある甲状腺という器官から分泌されるホルモンです。分泌されると骨へカルシウムの供給を促します。
このように、血液中のカルシウム、リン濃度は共にビタミンD、PTH、カルシトニンによって調整されており、骨の成長促進や丈夫な骨、歯を形成、維持に働いています。

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◎骨だけじゃなかった!ビタミンDであらゆる疾患を予防する?


ビタミンDで免疫力UP!
近年、ビタミンDは免疫にも関与しているとされています。日本の大学で、冬の間にビタミンDを摂取していた子どもと摂取していない子どもを比べた研究が行われました。その結果、ビタミンDを摂取した子どものインフルエンザ発症率は半分ほどに抑えられたという報告があげられています。
風邪やインフルエンザが流行する時期や受験シーズンは、日照時間が短いため嬉しいはたらきではないでしょうか。意識してビタミンDを摂るといいですね。

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ビタミンDと糖尿病の関係性とは?
国立がん研究センターによる研究ではビタミンDを摂取することで糖尿病の発症リスクを低減させると報告されています。
ビタミンD膵臓のβ細胞に直接作用してインスリン分泌に関与していること。不足するとインスリン感受性が低下するということが報告されており、このことから糖尿病の発症に関与している可能性があると考えられています。
現段階において、ビタミンDと糖尿病予防のメカニズムは具体的に明らかにされていませんが、今後さらに研究が進められ、明らかになることが期待されています。(国立がん研究センターよりhttp://epi.ncc.go.jp/index.html

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たんぱく質だけじゃない?筋力向上の効果
ビタミンDビタミンD受容体を通してホルモンと同じ様な働きを持ちます。ビタミンD受容体とはビタミンDを受け取るタンパク質であり、細胞内の存在しています。ビタミンD受容体は骨格筋にも存在しており、受容体を介した刺激で筋肉中のタンパク質が合成されます。また、ビタミンDには分岐鎖アミノ酸のロイシンがある筋肉の合成を促進し、分解を抑制する働きを促す作用があるとされています。
ビタミンDには筋量を増やす効果はないとされていますが、筋力を向上させることで、高齢者に多い転倒のリスクを防ぎ、骨折をも防ぐことができると考えられます。

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ビタミンDはがんを予防する?
ビタミンDに抗がん作用があるということは多くの研究で報告されています。
ビタミンDの摂取量が多く日照時間が長い人はがんの発生率が低いことや、日照時間の長い夏場より短い冬場の方ががんの進行度が遅いといった研究報告があげられています。
現段階ではビタミンDががんのリスクを低下させるという確実性の高い根拠はないとされ、多くの課題があるなか、今後さらに研究が進められるとされています。

このようにビタミンDはあらゆる疾患、生活習慣病に深く関係していると注目されています。ですが、現代の日本人の多くはビタミンDが不足しているという報告もあります。意識的にビタミンDを含む食材を摂り、日光を浴びることを心がけることが、風邪や生活習慣病を予防し、健康にも繋がっていると考えられますね。

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ビタミンDの種類
ビタミンDにはビタミンD₂、D₃、D₄、D₅、D₆、D₇の6種類あります。その中でも重要といわれているのがビタミンD₂とD₃です。
ビタミンD₂」はキノコ類のみに含まれているエルゴステロールに紫外線が当たることによって生成されます。
ビタミンD₃」は皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールが紫外線の照射によって生成されるものと、魚類やバター、卵黄に含まれるものがあります。
ビタミンD₂、D₃ともに同じ働きをしており、2つ合わせてビタミンDです。

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つづく、、、

次回!さらに深くビタミンDを解説します。

いったいどん食材に多く含まれているのか⁈…お楽しみに!

 

 

執筆担当: 関西真穂(管理栄養士)

大学を卒業後、保育園に勤務。子供たちの給食の献立作成など食育活動を行う。その後、病院へ勤務、患者様の栄養管理を主に担当。現在は、株式会社エビータでの栄養相談や執筆、料理など多くの方への健康管理を幅広く実施中。