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沖縄伝統農産物vol.1 琉球王国時代から愛されているゴーヤー

「ゴーヤ」じゃなくて「ゴーヤー」です

ゴーヤーはウリ科ニガウリ属。一般的に、「ゴーヤ」「ゴーヤー」と言われていますが、これは、実は沖縄の方言。「ゴーヤー」が正しい書き方です。その他、ニガウリ(和名)や、ツルレイシと呼ばれることもあります。原産国は亜熱帯アジアで、国内の主な生産地は沖縄、宮崎、鹿児島、関東など、暖かいところでは育ちやすいのが特徴です。

琉球王国時代の15世紀ごろ中国から沖縄へ渡り、現在は沖縄を代表する伝統島野菜となりました。琉球王国時代の栄養学書「御膳本草」によると、ゴーヤーについて『苦瓜(クグワ):ガフヤアと云い、蔓茘枝(つるれいし)のことである。気味、苦、甘、平、毒はない。邪熱を除き、疲労を解き、心を清め、目を明にする。夏の月は毎日食ってよい。』と書かれています。その時代から、疲労回復の夏野菜として、親しまれてきたことがわかります。中国でも暑気払いの野菜として食されていたようです。

また、いつの時代から、ゴーヤーと呼ばれるようになったのかは明確ではありませんが、琉球王国時代の名「ガフヤア」が方言などのなまりで、ゴーヤーに変化したのでは?と思います。

 

現在の品種は10種類以上あり、沖縄でよくみられ比較的苦味が少ない「あばしゴーヤー」、細長く苦味があり九州栽培されている「長れいし」、白く苦味が少ないいぼが丸みがある「白れいし」などで、主に出回っている種類は、「汐風」や「群星」などが多く、種類によって苦味が異なります。旬は5月~9月で、関東では梅雨あけ頃に店頭にたくさん並び始めます。

 

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全国にゴーヤーが広がった きっかけは?!

5月8日「ゴーヤーの日」をご存知ですか。沖縄では5月8日ごろからゴーヤーの出荷が増え、多くの方に広めたいと1997年沖縄県とJA(全国農業協同組合連合会)沖縄経済連が語呂あわせから制定しました。毎年5月8日の沖縄県内は、ゴーヤーイベントが開催されています。

 

関東に広がったきっかけは、7月ごろになると関東でもよく見られる「緑のカーテン」と言われています。この緑のカーテンは、ゴーヤーのツルが窓際に伸び、カーテンのように日よけになるといわれ、2007年ごろから流行しているのですが、実際に挑戦したことのある方も多いはずです。

この流行のきっかけになったのは、東京都板橋区の小学校です。当時、校長先生だった沖縄出身の高山厚子さん(現在は沖縄料理研究家)が学習の一環で、エアコン代わりになる緑のカーテンを学校全体で取り組んだのが最初。その後、あちこちの学校や、会社、自宅で実践する方が増えていきました。全国的に流行して現在では夏の風物詩となっていますね。

 

 

ゴーヤーのビタミンCは、加熱しても壊れないって本当?

ゴーヤーの栄養素は、コラーゲンの合成を助ける美肌作用や抗酸化作用があるビタミンCが多く、100g中76㎎でみかんやグレープフルーツの約二倍含みます。

ゴーヤーに含まれる還元型ビタミンC (アスコルビン酸)は、熱に強いですが、調理法により流失します。ビタミンCの性質として水に溶けやすい水溶性ビタミンなので、茹でたり煮ることにより煮汁に流失します。特にゴーヤーのビタミンCは、短時間の加熱調理での流失が少なく、他の野菜に比べると多く含まれるため、「加熱しても壊れない」といわれてきたようです。調理方法によって流失量は異なりますが、沖縄の定番料理ゴーヤーチャンプルーは、さっと炒めるので、ビタミンCの流失は少なく、理にかなった調理法です。

 

その他、造血作用がある葉酸、脂質や糖質の代謝作用があるパントテン酸、体内の浸透圧やPHを正常に保つ作用があるカリウムなどを含みます。

夏場の紫外線が多い時期は、ビタミンC・ビタミンA・ビタミンEを含む料理「ゴーヤーと人参の胡麻ナムル」など、抗酸化ビタミンの組み合わせがおススメです。抗酸化作用が高まり、日焼けなどによる老化防止効果が高まります。

 

苦味成分モモルデシンは、胃腸を促し食欲増進効果があると期待されています。

一部で「糖尿病に良いのでは?」との情報が出回っていましたが、血糖値に影響することがありますが、効果は有効ではないといわれています。また、種子に含まれているモモルカリンは動物実験において、妊娠阻害作用があるとの研究結果もあり、摂取は避けましょう。

 

 

主な料理には、定番のチャンプルーをはじめ、天ぷら、玉子焼き、ピクルス、サラダ、ジュースなど苦味を活かした料理が多くあります。

一方、熟したゴーヤーは緑からオレンジ色になり苦味がなく、種の周りは赤く甘くなります。毎年、ゴーヤーを栽培していますが、完熟ゴーヤーを使用したスムージーは、夏の楽しみの1つです。ミキサーに種を取り除いたゴーヤー1本、バナナ1本、牛乳100cc、はちみつ大匙1、バニラエッセンス少々、氷3個を入れスイッチポンで絶品スムージーの出来上がり!苦味がないのでお子様も喜ぶ、夏のおやつにもぴったりです。熟したゴーヤーは捨てず、ぜひ試してみてくださいね。(材料は約2杯分)

 

 

今回は、チャンプルーだけじゃない、ゴーヤーが苦手な人でも食べやすい!

モズクと豆腐入りでヘルシーだけど満足感あるゴーヤーバーグをご紹介します。

夏に食べたい!

ゴーヤーのモズク豆腐ハンバーグ

 

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 写真は2人分

 

材料  4人分 (作りやすい分量)

ゴーヤー140g1本 もずく(生)80g 木綿豆腐120g 豚ひき肉120g A(塩小さじ1/2 こしょう少々 生姜(すりおろし)1g) B(しょうゆ小さじ1 ごま油小さじ1 小麦粉大さじ1) ごま油大さじ1  小麦粉大さじ1 糸唐辛子適量

 

作り方

1.ゴーヤーは約1㎝の輪切りにし中のワタを取る。もずくは約2㎝長さに切る。

2.ボールに豚ひき肉、木綿豆腐、Aを加え粘りが出るまで混ぜ、B、もずくを加えよく混ぜ合わせる。

3.1のゴーヤーに軽く小麦粉をまぶし、2を詰めながら形を整え軽く小麦粉をまぶす。(ゴーヤーの穴に具を入れ、反面は丸く整えると焼き上がりが可愛く仕上がる)

4.フライパンにごま油をしき熱し、3を具の方から中火で焼き、両面焼き色が付いたら蓋をして弱火で中まで火を通し、お皿に盛り、糸唐辛子を上にのせる。

 

栄養価(1人分) 

エネルギー157Kcal、タンパク質8.2g 、脂質10.9g、炭水化物5.8g、糖質4g、食物繊維1.8g、ビタミンC 27g、塩分1g

 

ポイント

*苦味が、苦手な方は最初にゴーヤーを軽く塩もみする。

*糸唐辛子のかわりにマヨネーズをかけても食べやすくなります。

 

 

 

【参照】

※三ツ星印刷所 「御膳本草」 渡嘉敷親雲上通寛 (訳:當間清弘)

女子栄養大学出版 「文部科学省 日本食品成分表2015年版 七訂準拠」

※株式会社そしえて 「緑のカーテンの恵みを食べよう」 高山厚子※ゴーヤーに含まれるアスコルビン酸(還元型ビタミンC)の加熱時の減少

http://www.pref.okinawa.jp/arc/_userdata/kenkyuhoukoku/09/03.pdf

 

執筆担当: 宮澤かおる(管理栄養士 沖縄料理研究家

1981年生まれ 聖徳大学食生活専攻を卒業後、同大学の助手として勤務。栄養指導論を専門分野とし、講義サポートに携わりながら、管理栄養士を取得。その後、病院勤務をへて、現在は、伝統食材である沖縄食材を使った料理を広める「ぬちぐすい」を広める活動を沖縄料理研究家として発信。調理アシスタント、カウンセリングと合わせて広めている。

いま大注目のビタミンD あなたは足りていますか?

お待たせいたしました!ビタミンD第2弾です!

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ビタミンD不足の現状とは?過剰症はあるの?
ビタミンDの欠乏は発展途上国のみならず、先進国においても2000年頃より増加傾向にあるという報告がされています。
不足すると、子どもではくる病、大人では骨軟化症が起こるとされています。
「くる病」とは骨がうまく成長されず、背骨が曲がったり、身長が低くなったりします。

「骨軟化症」は骨のカルシウムが減ることで、骨がやわらかくなったり、骨格が変形します。
現在の日本における子どものビタミンD欠乏症の発症率は推定で年間183人と算出されています。これらの要因としては、完全母乳栄養、母親のビタミンD不足、食事摂取不足、アレルギー等疾患による不適切な食品除去や偏食、日光照射不足などが考えられます。
米国小児科学会ではビタミンDの推奨量は、生まれた日から10㎍/日を毎日摂取する必要があるともされています。また、過剰に摂取すると高カルシウム血症となる恐れがあります。

高カルシウム血症とは血中カルシウム濃度が高くなった状態で、嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れます。また、腎臓にも影響が及ぶ場合もあります。
平成28年の国民健康・栄養調査によるとビタミンDの摂取量は男性で平均7.9μg/日、女性で平均7.2μg/日摂取となっていることから、普段の食生活では過剰症になることはほとんどないと考えられます。ですが、サプリメントにより大量に摂取する場合は注意が必要です。

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ビタミンDは体内でつくられる?
前回の記事で「ビタミンは体内で合成されない栄養素」として解説しましたが、ビタミンDは皮膚に日光が当たることで、皮膚にある7-デヒドロコレステロールを原料にして、少量ですが体内で生成されます。

そのため、適度に日光に当たっていれば欠乏症を起こすことはないとされています。ですが、緯度の高い国や地域では日照時間が短い冬、紫外線量が不足しやすくなっています。

日本においては北海道や東北地方、日本海沿岸地域で、冬の間雪に見舞われ十分に日光を浴びれる時間が短くなっています。
ある研究で、体内でビタミンDを生成する場合に必要な日光照射時間を季節や時刻を考慮して、日本の3地点(札幌、筑波、那覇)で行われました。

紫外線の弱い12月の正午、那覇で8分、筑波で22分、札幌では76分という結果が出たとされています。
この研究結果からもわかるように日照時間の短い地域の方は特に食事からもビタミンDを摂取する必要があると考えられます。

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高齢者や若い女性は不足しやすい?
高齢者の方は加齢とともに、皮膚でのビタミンDの合成が効率的にできなくなってきます。室内で過ごす時間が増えることも1つの原因とされています。
若い女性の方では、紫外線を浴びるとシミやしわの原因となることから日焼け止めクリームや日傘によるUVケアし、日光を避ける傾向になってきたとされています。

これが原因で紫外線が完全にブロックされ、皮膚でビタミンDが生成されないという状態をまねいています。また過度のダイエットにより十分なカルシウムやビタミンDが摂れず、細い女性では閉経後に骨粗鬆所を発症してしまう可能性が高まります。
そうならないためにも、ウォーキングなど軽い運動をかねて外に出て日光を浴びることが大切です。

1日1回両手の甲に15分ほど日光を浴びるだけでも1日に必要なビタミンDを生成することができるとされています(環境省http://www.env.go.jp/より)。

そしてビタミンDやカルシウムが多く含まれている食材も含め、バランスの良い食事を摂りましょう。

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◎ダントツに多く含まれているのは、実はあのきのこ!? 
厚生労働省で定められているビタミンDの1日の推奨量は18~29歳の男女ともに5.5㎍とされています。また、耐容上限量は同じく男女ともに100㎍とされています。
ビタミンDは魚類、特に脂ののった魚に多く含まれています。あんこう(肝)、さけ、さんま、さばなどです。そしてやはり乾物にもビタミンDは豊富で、しらす干しやいわしのみりん干しにも多く含まれています。

その他、きのこ類では、ビタミンDといえば干ししいたけがピンとくると思いますが、実はダントツに多いのはきくらげなんです。もちろん、干ししいたけや舞茸、えのきにも含まれています。
1日の推奨量で換算してみると、「約あんこう肝でティースプーン大盛1杯、さけ1/5切、さんま1/4尾、さば1切、しらす干し大さじ3杯、みりん干し1枚、きくらげ(乾)20個、干ししいたけ10個、舞茸1パック、えのき6袋」くらいになります。(七訂食品成分表2017より)
さけやさば、さんまだと1人前で十分なビタミンDを摂ることができますね。

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ビタミンDの効率的な摂り方
ビタミンD脂溶性であるため、魚類や卵黄のほうが効率よく吸収されますが、きのこ類でも油を使って調理することで吸収率はアップします。

きのこを細かく刻んでハンバーグや肉団子に混ぜると、肉の脂身で吸収率は高まり、きのこがかさ増しにもなるので、満腹感も得られます。また、きのこ類は天日乾燥させることでビタミンDの含有量が数十倍上がるとされています。

生しいたけなど調理する前に日当たりの良いところに置いておくといいでしょう。

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いかがでしたでしょうか?骨だけではなく、風邪予防や生活習慣病予防として注目されているビタミンD。今後の研究によりさらなる期待もされています。
外に出て積極的に日光を浴び、食事からもビタミンDを摂って健康なカラダをつくりましょう。

次回はビタミンEです。

 

 

執筆担当: 関西真穂(管理栄養士)

大学を卒業後、保育園に勤務。子供たちの給食の献立作成など食育活動を行う。その後、病院へ勤務、患者様の栄養管理を主に担当。現在は、株式会社エビータでの栄養相談や執筆、料理など多くの方への健康管理を幅広く実施中。

2018年6月24日(日)開催 栄養士大学セミナーのお知らせ!

栄養士大学【糖尿病の最新知識と結果を出す栄養相談のコツを得る「糖尿病の食アドバイスを極めるには?!」】

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今回は、管理栄養士であり、御自身が若年発症の2型糖尿病の患者でもある國枝加誉先生を講師に迎え、「糖尿病の最新知識」とともに「結果をだす栄養相談のコツ」を患者側から、管理栄養士側からとして2つの視点から解説をいただきます。
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◎こんな人に向いています。
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講座内容
糖尿病と向き合う人やご家族はたくさんいます。栄養士はその方たちにどのように貢献できるでしょう?
日々の食行動をより良い方向へ導き実践いただくために、糖尿病食事療法に関する知識のブラッシュアップだけでなく、「伝わる力」が増す言葉選びのコツなどもお話しします。管理栄養士として日々、クライアントと向き合うだけでなく、自身が若年発症の2型糖尿病患者として、患者側の視点や思いを知る國枝先生に、「知識を単に伝えて終わるのではなく、相手にとってわかりやすく伝える方法」を教えていただきます。

・栄養士の心構え
栄養士は、自分が思う以上に「相手目線」が不足することがあります。患者視点で、「こんな栄養士が必要!」と思える心構えや姿勢、言葉の扱い方に触れます。

・糖尿病の基礎知識
ステレオタイプの知識で終わっていませんか?診断タイプ、病態、合併症になど基礎知識をおさらいしましょう。
・食事療法の動向
栄養バランスの重要性とカーボカウントの実際、糖質制限への対応など幅広くお伝えします。
・多種多様な薬物療法
薬物療法の理解=患者さんの病態の把握です。薬物療法の変遷と食事との関連を解説します。
・最新機器情報
SMBGFGM機器、インスリン注射器具を実際にお見せしながら様々な解説を行います。

 

〈詳細〉
日時:2018年6月24日(日)10時~12時 (受付9時45分~)
場所:南青山キッチンスタジオ DACARADA
   東京都港区南青山2-29-9南青山リハイム804(正面玄関左手のエレベータをご利用ください)
   銀座線外苑前駅1a出口より3分
   銀座線表参道駅より7分
   https://peraichi.com/landing_pages/view/dacaradastudio
講師:國枝加誉 先生(管理栄養士 健康食育シニアマスター)
   17歳でやせの2型糖尿病となったことで食健康の重要性を痛感して管理栄養士の道へ。同支社女子大学卒業後、大学病院での病棟専任栄養士、メニュー開発などを経て、現在はフリーランス栄養士として糖尿病クリニックでの食相談(栄養指導)、講演、執筆を中心に活動。

金額:スタジオ参加3,800円(資料、お土産つき)
   ウェブ参加3,000円 (*ウェブ参加は、ネット環境があるところであればどこからでも参加できます。資料の配布はございませんので、予めご了承ください。)
募集人数:会場12名 ウェブ参加30名
申し込み方法:こちらからお申込み下さい https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=HSxbGhik
連絡先:一般社団栄養士戦隊☆事務局(関西)welcome@eiyoushisentai.com
申し込み期限:2018年6月20日(水)

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栄養士大学 (主催:一般社団法人栄養士戦隊☆)
栄養士大学では、管理栄養士、栄養士、栄養科学生さんを対象にしたスキルアップのための講座を開講しています。参加ごとにポイントが付与されます。ポイントを集めていただくことで、講座の割引ポイントや栄養士戦隊☆のお茶会へのご招待を始め、希望者には優先的なお仕事のご依頼を行なっています。今後の細かいスケジュールなどは、以下URLにて随時お知らせしています。
一般社団法人栄養士戦隊☆ http://www.eiyoushisentai.com

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さまざまな生活習慣病に関係があるとされ今大注目のビタミンD!

第一弾に引き続き、今回はビタミンDについて解説していきます。

ビタミンD脂溶性ビタミンの1つです。直接、骨を強くする働きはありませんが、カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にしてくれます。ほとんどのビタミンは体内でつくりだすことができませんが、ビタミンDは紫外線を浴びると体内で合成される栄養素です。また、近年ビタミンDが風邪や生活習慣病の予防を期待できる栄養素として注目されています。
ビタミンDの知られざる効果と現状について解説していきます。

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ビタミンDの働き
ビタミンDは小腸で吸収され肝臓に集められた後、腎臓に送られます。ビタミンDはそのままの状態では働かかないため、腎臓で副甲状腺ホルモン(PTH)によって活性型ビタミンDに変換されます。
副甲状腺ホルモン(PTH)」とはのどぼとけの横のほうにある副甲状腺という器官から分泌されるホルモンです。血液中のカルシウムが低下すると分泌されます。
PTHによって活性型ビタミンDに変換されてやっとビタミンDとして働きます。活性型ビタミンDは腸管からのカルシウムとリンの吸収を促し、血液中のカルシウム濃度、リン濃度を共に高めます。また同時に、腎臓において尿に出たカルシウムの再吸収を促し、血液中のカルシウムを上昇させます。この時、血液中のカルシウム濃度が上昇すると分泌されるのがカルシトニンです。「カルシトニン」はのどぼとけにある甲状腺という器官から分泌されるホルモンです。分泌されると骨へカルシウムの供給を促します。
このように、血液中のカルシウム、リン濃度は共にビタミンD、PTH、カルシトニンによって調整されており、骨の成長促進や丈夫な骨、歯を形成、維持に働いています。

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◎骨だけじゃなかった!ビタミンDであらゆる疾患を予防する?


ビタミンDで免疫力UP!
近年、ビタミンDは免疫にも関与しているとされています。日本の大学で、冬の間にビタミンDを摂取していた子どもと摂取していない子どもを比べた研究が行われました。その結果、ビタミンDを摂取した子どものインフルエンザ発症率は半分ほどに抑えられたという報告があげられています。
風邪やインフルエンザが流行する時期や受験シーズンは、日照時間が短いため嬉しいはたらきではないでしょうか。意識してビタミンDを摂るといいですね。

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ビタミンDと糖尿病の関係性とは?
国立がん研究センターによる研究ではビタミンDを摂取することで糖尿病の発症リスクを低減させると報告されています。
ビタミンD膵臓のβ細胞に直接作用してインスリン分泌に関与していること。不足するとインスリン感受性が低下するということが報告されており、このことから糖尿病の発症に関与している可能性があると考えられています。
現段階において、ビタミンDと糖尿病予防のメカニズムは具体的に明らかにされていませんが、今後さらに研究が進められ、明らかになることが期待されています。(国立がん研究センターよりhttp://epi.ncc.go.jp/index.html

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たんぱく質だけじゃない?筋力向上の効果
ビタミンDビタミンD受容体を通してホルモンと同じ様な働きを持ちます。ビタミンD受容体とはビタミンDを受け取るタンパク質であり、細胞内の存在しています。ビタミンD受容体は骨格筋にも存在しており、受容体を介した刺激で筋肉中のタンパク質が合成されます。また、ビタミンDには分岐鎖アミノ酸のロイシンがある筋肉の合成を促進し、分解を抑制する働きを促す作用があるとされています。
ビタミンDには筋量を増やす効果はないとされていますが、筋力を向上させることで、高齢者に多い転倒のリスクを防ぎ、骨折をも防ぐことができると考えられます。

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ビタミンDはがんを予防する?
ビタミンDに抗がん作用があるということは多くの研究で報告されています。
ビタミンDの摂取量が多く日照時間が長い人はがんの発生率が低いことや、日照時間の長い夏場より短い冬場の方ががんの進行度が遅いといった研究報告があげられています。
現段階ではビタミンDががんのリスクを低下させるという確実性の高い根拠はないとされ、多くの課題があるなか、今後さらに研究が進められるとされています。

このようにビタミンDはあらゆる疾患、生活習慣病に深く関係していると注目されています。ですが、現代の日本人の多くはビタミンDが不足しているという報告もあります。意識的にビタミンDを含む食材を摂り、日光を浴びることを心がけることが、風邪や生活習慣病を予防し、健康にも繋がっていると考えられますね。

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ビタミンDの種類
ビタミンDにはビタミンD₂、D₃、D₄、D₅、D₆、D₇の6種類あります。その中でも重要といわれているのがビタミンD₂とD₃です。
ビタミンD₂」はキノコ類のみに含まれているエルゴステロールに紫外線が当たることによって生成されます。
ビタミンD₃」は皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールが紫外線の照射によって生成されるものと、魚類やバター、卵黄に含まれるものがあります。
ビタミンD₂、D₃ともに同じ働きをしており、2つ合わせてビタミンDです。

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つづく、、、

次回!さらに深くビタミンDを解説します。

いったいどん食材に多く含まれているのか⁈…お楽しみに!

 

 

執筆担当: 関西真穂(管理栄養士)

大学を卒業後、保育園に勤務。子供たちの給食の献立作成など食育活動を行う。その後、病院へ勤務、患者様の栄養管理を主に担当。現在は、株式会社エビータでの栄養相談や執筆、料理など多くの方への健康管理を幅広く実施中。

沖縄で伝わる大切な言葉「ぬちぐすい」とは?

「ぬちぐすい」の由来

沖縄の方言で「ぬちぐすい」という言葉があります。沖縄の言葉で、「ぬち」は命、「ぐすい」は薬、つまり、「ぬちぐすい」とは、食べものが薬になるくらい効果があるという意味です。特に台風などで自然災害も多かった沖縄では、医食同源として先人から食事の大切さが受け継がれてきました。

 「ぬちぐすい」という言葉の原点は、琉球王国時代に書かれた琉球食療法の指導書「御膳本草」です。現在で例えると、栄養学と食品成分表を合わせたような本です。この指導書の著者であり、医師である渡嘉敷親雲上通寛(とかしきぺーちんつうかん)は、病気だった琉球王国17代王様 尚灝王の治療をしようと中国(北京)に留学し、漢方や食事療法などを学び、帰国後、王の侍医となりなりました。

中国で学んだ内容を元に、琉球独自の食材の効能、食材の組み合わせなど食事療法をまとめ本にしました。大災害の際、この考え方が民間にも広がり、今でも「ぬちぐすい」として受け継がれています。

 

※(写真の「御膳本草」は、1964年當間清弘により再刊された復元本です。)

 

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琉球料理と沖縄料理の違い 

沖縄には、琉球料理と沖縄料理があります。琉球料理とは、琉球王国時代に宮廷で食べられていた宮廷料理と、民間で伝統的に受け継がれていた料理です。沖縄料理は沖縄県の郷土料理で、第二次大戦後アメリカの影響を受けて作られるようになった料理や、伝統的に伝えられた料理です。「ぬちぐすい」の原点は、琉球の宮廷料理ですが、沖縄料理もその考え方が伝えられています。

 

沖縄独特の食文化が誕生した理由は、琉球として1つの独立国だった時代から他国との交流が盛んに行われていたためです。

日本が、中国との交流がない中、琉球では、1372年ごろから中国との交流が始まっています。

500年続いた琉球時代の中で、国王が交代する際、「冊封」(さっぽう)という中国から国王として承認を受ける式典が行われていました。この式典が開催される際には、中国から使節団である冊封使(さっぽうし)が約430~500名が訪れます。琉球の人々は、この冊封使をもてなそうと中国へ渡り中国料理を学び、琉球の料理に取り入れました。また、薩摩との交流が始まると、料理人が薩摩へ渡り日本料理を学びました。琉球料理は、時代に合わせ変化し、独特の食文化を作り上げて行ったのです。

このように琉球料理は、「ぬちぐすい」を基本に、中国料理と日本料理を取り入れてできたものです。

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沖縄は長寿県って本当?

長寿日本一として有名になった沖縄県ですが、食生活の変化により、実は、長寿ランキングが下がっています。現在、県全体で「長寿を取り戻そう!」と目標を掲げ沖縄県健康課が計画した「おきなわ21」に基づき、『ぬちぐすい』や食生活を見直す活動に力を入れています。

 

厚生労働省都道府県別生命表の調査「都道府県別にみた平均余命」によると、沖縄県は、1975年〜1985年の10年間、男女ともに1位、2位の座を維持し、1985年「世界長寿地域宣言」をしました。この調査は5年ごとに行われるのですが、男性ランキングが、1995年4位から2000年に26位へと5年間で急に下がる自体が発生しました。この急落は、「沖縄26ショック」といわれ、全国的にニュースになりました。

2017年のデータでは、男性36位(80.27歳)、女性7位(87.44歳)となっており、沖縄は、もはや長寿と言えない状況になっています。この理由として、車社会の普及により運動不足や、食生活の欧米化、移住者が多く伝統的な沖縄家庭料理が減り、「ぬちぐすい」のが、考え方が食生活から薄れていっているのではないかと考えられます。

 

ちなみに、2018年の「都道府県別にみた平均余命」の1位は、男性は滋賀県、女性は長野県です。また、厚生労働省から公表された平成27年市区町村別生命表「市区町村別平均寿命」では、沖縄県北中城村の女性が3年連続1位となり、沖縄県一部地域では長寿をキープしています。

 

 

とは言っても、沖縄の食材はすごい!

沖縄県は、本土に比べ紫外線が強く、平均気温23度の亜熱帯気候で台風の通り道です。沖縄で栽培されている島野菜は、紫外線や雨風に強く、抗酸化作用があり、ビタミンやミネラル類が豊富に含まれる野菜が多いのが特徴です。抗酸化作用とは、紫外線やストレスなどで細胞ついた細胞を修復し、老化(体の酸化)を防ぐ作用のことです。

伝統農産物の島野菜は28種類あり、一部は昔から薬草として使用され、現在も生薬や民間薬として用いられています。そのため、島野菜の栄養素や効能は、「ぬちぐすい」や「長寿」に関係があると期待され、改めて注目されています。

 

沖縄県農林水産部は、健康長寿県として注目される沖縄において、戦前から導入され、伝統的に食されてきた地域固有の野菜を【伝統農産物】(別名:島野菜)と定義しました。

次回は、そんな沖縄の【伝統農産物(島野菜)】についてご紹介します。

 

 

 

執筆担当: 宮澤かおる(管理栄養士 沖縄料理研究家)

1981年生まれ 聖徳大学食生活専攻を卒業後、同大学の助手として勤務。栄養指導論を専門分野とし、講義サポートに携わりながら、管理栄養士を取得。その後、病院勤務を経て、現在は、伝統食材である沖縄食材を使った料理を広め、「ぬちぐすい」をモットーに活動し沖縄料理研究家として発信。調理アシスタント、カウンセリングと合わせて広めている。