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いま大注目のビタミンD あなたは足りていますか?

お待たせいたしました!ビタミンD第2弾です!

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ビタミンD不足の現状とは?過剰症はあるの?
ビタミンDの欠乏は発展途上国のみならず、先進国においても2000年頃より増加傾向にあるという報告がされています。
不足すると、子どもではくる病、大人では骨軟化症が起こるとされています。
「くる病」とは骨がうまく成長されず、背骨が曲がったり、身長が低くなったりします。

「骨軟化症」は骨のカルシウムが減ることで、骨がやわらかくなったり、骨格が変形します。
現在の日本における子どものビタミンD欠乏症の発症率は推定で年間183人と算出されています。これらの要因としては、完全母乳栄養、母親のビタミンD不足、食事摂取不足、アレルギー等疾患による不適切な食品除去や偏食、日光照射不足などが考えられます。
米国小児科学会ではビタミンDの推奨量は、生まれた日から10㎍/日を毎日摂取する必要があるともされています。また、過剰に摂取すると高カルシウム血症となる恐れがあります。

高カルシウム血症とは血中カルシウム濃度が高くなった状態で、嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れます。また、腎臓にも影響が及ぶ場合もあります。
平成28年の国民健康・栄養調査によるとビタミンDの摂取量は男性で平均7.9μg/日、女性で平均7.2μg/日摂取となっていることから、普段の食生活では過剰症になることはほとんどないと考えられます。ですが、サプリメントにより大量に摂取する場合は注意が必要です。

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ビタミンDは体内でつくられる?
前回の記事で「ビタミンは体内で合成されない栄養素」として解説しましたが、ビタミンDは皮膚に日光が当たることで、皮膚にある7-デヒドロコレステロールを原料にして、少量ですが体内で生成されます。

そのため、適度に日光に当たっていれば欠乏症を起こすことはないとされています。ですが、緯度の高い国や地域では日照時間が短い冬、紫外線量が不足しやすくなっています。

日本においては北海道や東北地方、日本海沿岸地域で、冬の間雪に見舞われ十分に日光を浴びれる時間が短くなっています。
ある研究で、体内でビタミンDを生成する場合に必要な日光照射時間を季節や時刻を考慮して、日本の3地点(札幌、筑波、那覇)で行われました。

紫外線の弱い12月の正午、那覇で8分、筑波で22分、札幌では76分という結果が出たとされています。
この研究結果からもわかるように日照時間の短い地域の方は特に食事からもビタミンDを摂取する必要があると考えられます。

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高齢者や若い女性は不足しやすい?
高齢者の方は加齢とともに、皮膚でのビタミンDの合成が効率的にできなくなってきます。室内で過ごす時間が増えることも1つの原因とされています。
若い女性の方では、紫外線を浴びるとシミやしわの原因となることから日焼け止めクリームや日傘によるUVケアし、日光を避ける傾向になってきたとされています。

これが原因で紫外線が完全にブロックされ、皮膚でビタミンDが生成されないという状態をまねいています。また過度のダイエットにより十分なカルシウムやビタミンDが摂れず、細い女性では閉経後に骨粗鬆所を発症してしまう可能性が高まります。
そうならないためにも、ウォーキングなど軽い運動をかねて外に出て日光を浴びることが大切です。

1日1回両手の甲に15分ほど日光を浴びるだけでも1日に必要なビタミンDを生成することができるとされています(環境省http://www.env.go.jp/より)。

そしてビタミンDやカルシウムが多く含まれている食材も含め、バランスの良い食事を摂りましょう。

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◎ダントツに多く含まれているのは、実はあのきのこ!? 
厚生労働省で定められているビタミンDの1日の推奨量は18~29歳の男女ともに5.5㎍とされています。また、耐容上限量は同じく男女ともに100㎍とされています。
ビタミンDは魚類、特に脂ののった魚に多く含まれています。あんこう(肝)、さけ、さんま、さばなどです。そしてやはり乾物にもビタミンDは豊富で、しらす干しやいわしのみりん干しにも多く含まれています。

その他、きのこ類では、ビタミンDといえば干ししいたけがピンとくると思いますが、実はダントツに多いのはきくらげなんです。もちろん、干ししいたけや舞茸、えのきにも含まれています。
1日の推奨量で換算してみると、「約あんこう肝でティースプーン大盛1杯、さけ1/5切、さんま1/4尾、さば1切、しらす干し大さじ3杯、みりん干し1枚、きくらげ(乾)20個、干ししいたけ10個、舞茸1パック、えのき6袋」くらいになります。(七訂食品成分表2017より)
さけやさば、さんまだと1人前で十分なビタミンDを摂ることができますね。

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ビタミンDの効率的な摂り方
ビタミンD脂溶性であるため、魚類や卵黄のほうが効率よく吸収されますが、きのこ類でも油を使って調理することで吸収率はアップします。

きのこを細かく刻んでハンバーグや肉団子に混ぜると、肉の脂身で吸収率は高まり、きのこがかさ増しにもなるので、満腹感も得られます。また、きのこ類は天日乾燥させることでビタミンDの含有量が数十倍上がるとされています。

生しいたけなど調理する前に日当たりの良いところに置いておくといいでしょう。

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いかがでしたでしょうか?骨だけではなく、風邪予防や生活習慣病予防として注目されているビタミンD。今後の研究によりさらなる期待もされています。
外に出て積極的に日光を浴び、食事からもビタミンDを摂って健康なカラダをつくりましょう。

次回はビタミンEです。

 

 

執筆担当: 関西真穂(管理栄養士)

大学を卒業後、保育園に勤務。子供たちの給食の献立作成など食育活動を行う。その後、病院へ勤務、患者様の栄養管理を主に担当。現在は、株式会社エビータでの栄養相談や執筆、料理など多くの方への健康管理を幅広く実施中。